長期優良住宅を建てよう

省エネ住宅には様々な種類の住宅がありますが、長期優良住宅もその中のひとつです。長期優良住宅とは、長期間にわたって快適かつ安心して暮らすことができる住宅のことで、平成21年より開始された長期優良住宅認定制度の基準を満たした住宅が認定されます。

長期優良住宅は、長く住み続けられる住宅であるためエコの観点からも評価されていますが、認定されるためには、構造躯体等の劣化対策・可変性・耐震性・維持管理および更新の容易性・省エネルギー性・バリアフリー性・居住環境・維持保全計画・住戸面積の9つの基準を全て満たさなければなりません。可変性とは、ライフスタイルの変化に応じて間取りの変更などが柔軟に行えること、居住環境とは、良好な景観を形成するといった居住環境への配慮がなされていることを意味しています。また、維持保全計画では、建築時から将来的に行う定期的な点検や補修などの計画を立てていること、住戸面積では、一戸建ての場合は延床面積が75平米以上で、少なくとも一つのフロアの床面積が40平米以上である必要があります。

また、長期優良住宅は長期間にわたり快適・安心に暮らせるというメリットがありますが、一般的な住宅よりも建築コストが高くなるとともに、メンテナンスの手間や費用がかかるというデメリットがあります。加えて、認定されるためには、着工前に都道府県知事などに申請する必要があるのですが、この申請には手間と時間がかかる上に、認定手数料や技術審査料などに5~6万円ほどの費用がかかります。ハウスメーカーや工務店などに申請を代行してもらうことも可能ではありますが、その場合はトータルで10万円程度の費用がかかることを念頭に置いておかなければなりません。

しかし、長期優良住宅は税金面で様々な優遇を受けられるというメリットがあります。例えば、住宅ローンを利用した場合、10年間にわたり借り入れしたローンの年末残高の1%が所得税と住民税から控除される住宅ローン減税が受けられますが、一般住宅の場合は控除対象限度額が4,000万円であるのに対し、長期優良住宅の場合は5,000万円となります。また、不動産を取得した際や新築・増築した際に発生する不動産所得税が軽減されるのもメリットのひとつです。一般的な新築住宅の場合、固定資産税評価額から1,200万円を差し引いた額の3%が不動産所得税となりますが、長期優良住宅の場合は軽減率が大きく、固定資産税評価額から1,300万円を差し引いた額の3%が不動産所得税となります。さらに、登録免許税の税率引き下げや固定資産税の軽減期間の延長といった優遇を受けることが可能です。

このように、税金面で様々な優遇措置を受けることが可能なので、マイホームを計画する際は長期優良住宅も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

【ZEH】と【LCCМ住宅】の違いとは?

一口に省エネ住宅と言っても、長期優良住宅や認定低炭素住宅、ZEH、LCCМ住宅など様々な種類があります。そのため、それぞれの違いが分からないという方も非常に多いかと思いますが、ここではZEHとLCCМ住宅の違いについて解説していきます。

そもそもZEH(ゼッチ)とは、NetZeroEnergyHouseの略で、太陽光発電などで作られるエネルギー量が住宅内で消費されるエネルギー量と同等、もしくはそれ以上になることを目指した住宅のことを指します。現在は、環境省・国土交通省・経済産業省が連携してZEHの普及に力を入れていますが、このZEHを上回る省エネ住宅として注目されているのがLCCМ住宅です。LCCМ住宅は、LifeCycleCarbonMinusの略で、住宅のライフサイクルを通して二酸化炭素の収支をマイナスにする住宅のことを指します。住宅のライフサイクルとは、建築から廃棄に至るまでの住宅の一生を意味しています。

ZEHとLCCМ住宅は、どちらも太陽光発電によってエネルギーを作り出し、排出される二酸化炭素量を補填する住宅です。しかし、ZEHは居住中の二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目的としているのに対し、LCCМ住宅は建築・解体・処分の際に発生する二酸化炭素量も考慮しており、トータルでの二酸化炭素排出量を実質マイナスにすることを目指しているという違いがあります。例えば、建築段階においては二酸化炭素の発生量が少ない建材を選択する、廃棄・処分の際はリサイクルを積極的に行うといった取り組みが行われています。

LCCМ住宅は地球環境に優しいだけでなく、断熱性や気密性が非常に高いという特徴があるため、冷暖房による消費エネルギー量が少なくなり光熱費の節約が実現可能です。加えて、建物内の温度変化が少なくなるので冬場に起こりやすいヒートショックのリスクを軽減することもできます。一方で、注目度が高まったのはここ数年のことなので、対応している建築・住宅会社が少ないというデメリットがあります。また、初期費用が高額になるのも大きなデメリットとなりますが、LCCМ住宅を建てる際は補助金の交付が受けられます。国土交通省が実施するサステナブル建築物等先導事業では、平成30年度にLCCМ住宅部門を創設しており、1戸あたり上限125万円の補助金を受けることができるので、初期費用の負担を軽減することが可能です。

住んでいる家を省エネ化するための方法

省エネ住宅は、エネルギー消費量を抑えられるので光熱費を削減できるとともに、夏は涼しく冬は暖かい快適な住環境が実現できるというメリットもありますが、既存の住宅でもリフォームによって省エネ化することが可能です。具体的には、断熱性能や日射遮蔽性能を向上させるリフォームを行うことで省エネ化を図ることができます。

非常に手軽に行える方法としては、窓やドアといった開口部の断熱をすることが挙げられます。特に、窓は熱の出入りが最も多い箇所なので、複数のガラスから構成される複層ガラス(ペアガラス)などの断熱性能が高い窓ガラスへ変更したり、既存の窓の内側にもう一枚窓を設ける二重窓(内窓・二重サッシ)を導入したりするだけでも一定の効果が得られます。

加えて、壁・床・天井などの断熱材を高性能なものへと変更するのも非常に有効ですが、断熱材は壁・天井・床の6面に施工するのが基本です。断熱リフォームは、壁・天井・床など個別で行うことも可能ではありますが、一部分のみを高性能な断熱材へと変更しても、それ以外の部分から熱が逃げてしまうので効果的ではありません。そのため、断熱リフォームを検討する際は可能な限り壁・天井・床を一度に行うことをおすすめしますが、もし予算の都合から建物全体をリフォームするのが難しい場合は、リビングやヒートショックのリスクが高い水回りなど限られたエリアのみリフォームすると良いでしょう。

さらに、窓ガラスなどから室内に侵入する日射は、夏場に室内温度を上昇させる大きな要因となるため、日射遮蔽性能を向上させる工事を行うのも効果的です。具体的には、庇や軒を設ける、太陽の放射熱を低減できるLow-E複層ガラスを導入するといった方法が挙げられます。

また、太陽光発電システムや家庭用燃料電池を導入するのも省エネ化につながります。太陽光発電システムを導入して発電した電力を自家消費すれば、電気事業者から購入する電力量を減らすことができますし、実質的なエネルギー消費量をゼロにすることも夢ではありません。家庭用燃料電池は、都市ガスやプロパンガス(LPガス)から取り出した水素を空気中の酸素と反応させることで発電するシステムです。発電時に発生する熱はお湯を沸かすのに活用され、給湯や床暖房に利用します。発電時に二酸化炭素が発生しないので地球環境に優しく、排熱も有効活用するシステムなので住宅の省エネ化に大きく貢献してくれシステムと言えるでしょう。

省エネ住宅の「Q値」とは?

省エネ住宅は、一般的な住宅よりも断熱性能が高いという特徴がありますが、住宅の断熱性能を測る指標の一つがQ値(熱損失係数)です。Q値とは、壁・床・天井・屋根・窓などからどの程度熱が逃げていくのかを数値化したもので、住宅全体の熱損失量を延床面積で割ることで算出されます。値が小さいほど熱が逃げにくい、値が大きいほど熱が逃げやすいということを意味しているため、数値が低いほど断熱性能が高いと判断することが可能です。

しかし、Q値は住宅の形状や延床面積の大きさに影響を受けるという問題があります。例えば、同じ断熱材を使っていたとしても、複雑な形状の住宅よりも単純な形状の住宅の方が、延床面積が小さい住宅よりも大きい住宅の方が数値が小さくなります。Q値は、省エネルギー基準における断熱性能を評価する際の指標として採用されていましたが、このような特性を利用して住宅の断熱性能を高く見せようとするハウスメーカーや工務店が増えたこともあり、平成25年の改定以降の省エネルギー基準(次世代住宅省エネ基準)ではQ値ではなくUa値が採用されています。

Ua値とは、外皮平均熱貫流率のことで、Q値同様に建物外部への熱の逃げやすさを数値化した指標です。値が小さいほど断熱性能が高く、値が大きいほど断熱性能が低いことを意味していますが、住宅全体の熱損失量を延床面積で割るQ値とは異なり、Ua値は熱損失量を総外皮面積で割ります。外皮とは、壁・床・天井・屋根・窓・開口部・基礎といった住宅の外周部分のことを指します。住宅全体の熱損失量を総外皮面積で割ることで、住宅の形状や延床面積によって数値が変動しないので、より正確な断熱性能を示すことが可能です。

このような特徴があるため、現在の省エネルギー基準ではこのUa値が断熱性能を評価する指標として採用されています。そのため、ハウスメーカーや工務店を比較する際は、Ua値で比較することをおすすめします。ただし、Ua値は換気による熱損失が考慮されていないという問題があります。一方のQ値は換気によって生じる熱損失を考慮した指標となっているので、換気システムを含めた断熱性能を知りたい場合は参考にすると良いでしょう。

また、Q値とUa値はどちらも実測で割り出される指標ではなく、設計段階で算出される理論上の数値であることを念頭に置いておく必要があります。完成後の建物の性能が、設計通りの性能を実現できているとは限らないので注意しましょう。

太陽光発電のメリット・デメリットを解説

マイホームを建てるにあたり、太陽光発電システムを導入すべきか迷っている方は非常に多いかと思いますが、システムにはメリットとデメリットの両方があります。

太陽光発電システムを導入するメリットとしてまず挙げられるのは、電気代に節約につながることです。太陽光発電システムによって作り出した電力は、家庭内で使用することが可能なので、電気事業者から購入する電力を減らすことができます。発電できる電力は、天候や設置条件などによって大きく変わりますが、発電した電力を自家消費することで電気代が0円になるケースも珍しくありません。また、電気料金は石油や天然ガスなどの燃料費の高騰や、再生可能エネルギー発電促進賦課金の導入などの要因によって年々上昇しています。今後も電気料金値上げの動きは加速していくと言われていますが、太陽光発電システムを導入しておけば、電気料金値上げの影響を最小限に留めることが可能です。

加えて、太陽光によって発電した電力は自家消費するだけでなく、電力会社へと売却できます。住宅用の10kW未満のシステムの場合、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)と呼ばれる制度により、10年間は決まった金額で売却することが可能です。2021年度の売電価格は19円/kWhとなっていますが、10年間を過ぎた場合でも電力会社と契約を結べば売電を続けることができます。

また、災害時や停電時の備えになるのもメリットのひとつです。太陽光発電システムは、災害などで停電が起こっても太陽さえ出ていれば発電できます。普段と全く変わらない生活を送るのは難しいかもしれませんが、停電時でも冷暖房や冷蔵庫といった電化製品が使えるとともに、テレビやスマートフォンでの情報収集が容易になるのは大きいと言えるでしょう。

以上が太陽光発電システムを導入する代表的なメリットとなりますが、一方で太陽光発電システムは導入コストが高いという事があります。導入コストはメーカーや面積などによって変動しますが、基本的には100万円以上の費用がかかります。太陽光発電システムの導入コストは年々下がってはいるものの、手軽に導入できるほどの金額ではありません。

また、発電量が天候に左右されるのもデメリットのひとつです。曇りの日や雨の日でも発電できるものの、晴れの日と比べると発電量は大幅に減少します。特に梅雨の時期や日照時間が短い冬場は、思ったように発電できないことが多くなるので注意が必要です。さらに、効率的に発電を維持するための定期的なメンテナンスが必要になります。

このように、太陽光発電システムにはメリットだけでなくデメリットもあるので、導入を検討する際は十分に理解しておくことが大切です。

省エネ住宅は初期費用やコストが高い?

家とお金のミニチュアと電卓とノート

省エネ住宅とは、消費エネルギー量を抑えることができる住宅のことで、特に冷暖房のエネルギー消費量を減らすことが可能です。断熱・日射遮蔽・気密という3つの性能が高い住宅なので、単にエネルギー消費量を抑えられるだけでなく、夏は涼しく冬は暖かい住宅を実現することができます。

一方で、省エネ住宅では断熱性能・日射遮蔽性能・気密性能を高めるために、一般的な住宅には使わないような特殊な建材を使用したり、特別な工法を採用したりする必要があるため、一般的な住宅よりも初期費用が高くなるケースがほとんどです。国土交通省は、120平米の戸建て住宅を省エネルギー基準に適合させるためには、約87万円の追加費用がかかると試算しています。この87万円という金額は、省エネルギー基準を満たすためにかかるもので、省エネルギー基準以上の性能を持つ住宅を建てる場合は、それ以上の金額がかかることになります。

ただし、省エネ住宅は住み始めてから発生するランニングコストは抑えることが可能です。省エネ住宅では、一般家庭で使われる電化製品の中でも特に消費電力が大きい冷暖房設備で消費するエネルギー量を減らすことができるため、光熱費の削減が期待できます。国土交通省の試算によると、120平米の一般的な戸建て住宅を省エネルギー基準に適合させると、年間に約2.5万円の光熱費を削減できるとされています。加えて、太陽光発電を導入した場合はさらに光熱費を節約することが可能です。太陽光発電を導入すると、発電した電力を家庭内で利用できるようになるので光熱費が削減できるとともに、不要な電力を売電できるので場合によっては光熱費が黒字になる可能性もあります。

また、近畿大学建築学部の岩前篤教授が行った調査の結果によると、新築の省エネ住宅に引っ越すと気管支喘息・アトピー性皮膚炎・関節炎・アレルギー性鼻炎・手足の冷え・咳・喉の痛みといった15の諸症状が改善する可能性が高いことが分かっています。断熱性能が非常に高い省エネ住宅は、冬でも暖かい住環境を作り出すことが可能です。これにより、身につける衣類の量が自然と減るため、手足の冷えや咳などの症状だけでなく、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルの改善につながると考えられています。様々な諸症状の改善につながるので、医薬品や対策グッズ、ティッシュなどの消耗品にかかる費用を抑えることが可能です。

このように、省エネ住宅は初期費用が高いというデメリットはあるものの、住み始めてから発生する様々なコストは抑えることができます。また、省エネ住宅にかかる初期費用は、様々な補助金や減税制度を活用することで抑えることが可能です。

省エネ住宅建設で使える補助金・減税制度

家のミニチュアと電卓と一万円札

省エネ住宅は、一般的な住宅よりも初期費用が高いというデメリットがあります。しかし、エネルギー消費量を抑えることは全世界共通の課題であり、日本政府も省エネ住宅の普及に力を入れています。そのため、省エネ住宅の建設には様々な補助金を活用できるとともに、減税制度を受けることも可能です。省エネ住宅を新築で建てる際に活用できる代表的な補助金としては、ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業や地域型住宅グリーン化事業などが挙げられます。

ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業では、ZEH(ゼッチ)と呼ばれる住宅を新築で購入する際や、既存住宅をZEHへと改修する際に補助金を受けることが可能です。ZEHとは簡単に説明すると、家庭内で消費するエネルギー量と太陽光発電などで作るエネルギー量がほぼ同じになる住宅のことを指します。受けられる補助額は住宅性能によって変動し、高性能になるほど多くの補助金を受けることができます。

地域型住宅グリーン化事業は、長期優良住宅や低炭素住宅といった省エネ住宅を木造で新築、もしくは改修した際に補助金が交付されるものです。受け取れる補助金の上限は110~140万円ですが、地元でとれた地域材が建築に使用する木材の過半数を占めていれば上限20万円、三世代同居対応住宅の要件を満たしていれば上限30万円が加算されます。ただし、この制度を利用するためには、地元の中小工務店を利用する必要があるので注意が必要です。

また、省エネ住宅を建てる場合、所得税・固定資産税・登録免許税の3種類の税金が減額される場合があります。所得税に関しては、住宅ローンを利用した場合、最大減税額500万円の長期優良住宅の住宅ローン・低炭素住宅の住宅ローン減税、最大減税額400万円の省エネ改修等した場合の住宅ローン減税を受けることができます。住宅ローンを利用しなかった場合でも、最大減税額65万円の低炭素住宅の投資型減税や長期優良住宅の投資型減税を利用することが可能です。固定資産税に関しては、税額が半分になる長期優良住宅の固定資産税の軽減を受けられます。さらに、登録免許税に関しては、所有権保存登記の場合に税率が0.4%から0.1%になる低炭素住宅の登録免許税の税率軽減、長期優良住宅の登録免許税の税率軽減を利用することが可能です。

このように、省エネ住宅の建設には様々な補助金を活用できますし、減税制度も受けられます。ただし、それぞれ申請期限が設けられているので、省エネ住宅を建てる際は利用できそうなものをリサーチした上で忘れずに申請することが大切です。

住宅の省エネルギー基準とは?

断熱材の入った壁

省エネ住宅は、従来の住宅よりもエネルギー消費量が抑えられる住宅のことを指しますが、省エネ住宅の基本となっているのが国土交通省が定めている省エネルギー基準です。省エネルギー基準とは、エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づいて制定された基準で、昭和55年の制定以来時代に合わせて平成4年・平成11年・平成25年・平成28年と改正が重ねられています。最新の基準では、住宅の省エネルギー性能は外皮性能と一次エネルギー消費という2つの基準で評価されます。

外皮性能とは、外壁・床・屋根・天井・窓などを通してどの程度熱が損失しにくいのかを表したもので、断熱と日射遮蔽の2つの項目で評価されます。断熱とは、建物内外の熱の移動を少なくすることで、壁・床・天井などに断熱材を施したり窓を二重にしたりすることで断熱性能を向上させることが可能です。なお、この断熱性能を測る指標となるのが外皮平均熱貫流率(UA値)で、建物が損失する熱量の合計を外皮面積で割ることで算出されます。このUA値が小さいほど、建物の外へ熱が逃げにくく省エネ性が高いことを意味しています。

また、夏場に稼働させる冷房器具の稼働効率を高めるには、室内温度を上昇させる要因となる日射を遮ることが重要です。例えば、屋根や外壁に施す塗料を遮熱塗料にしたり、窓の上に庇をつけたりすることで対策可能ですが、日射遮蔽性能を評価する際に使われるのが冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)です。ηAC値は、建物が取得する日射量の合計を外皮面積で割ることで算出される指標で、値が小さいほど建物内へ入る日射量が少なく、冷房効率が高いことを意味しています。

平成25年以降の省エネルギー基準では、冷暖房・照明・給湯などによるエネルギー消費に対する基準も設けられました。ただし、家庭内で使われるエネルギーの形態は電気や都市ガスなど様々なので、エネルギー消費量は電気などへ変換される前の一次エネルギーで評価されます。また、太陽光発電を導入している場合は、住宅内の一次エネルギー消費量から太陽光発電で作り出したエネルギー量を差し引くことが可能です。

なお、日本国内と言っても、北海道をはじめとする寒冷地と沖縄などの温暖地では必要となる住宅性能が大きく異なります。そのため、省エネルギー基準では日本全国を気候条件に応じて8つに区分し、それぞれの地域ごとにUA値とηAC値の基準値を設定しています。