省エネ住宅とはどんな家?特徴について解説

桜の木がある白い一軒家

近年、省エネ住宅への注目度が高まっていますが、省エネ住宅という言葉を見聞きしたことがあっても、具体的にどのような住宅なのか分からないという方も少なくないでしょう。そもそも省エネとは省エネルギーの略で、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料をはじめとしたエネルギー資源を効率的に使うことを意味しています。人間は日々様々な形でエネルギーを消費していますが、埋蔵量に限りがある化石燃料は将来的に必ず枯渇します。化石燃料が枯渇してしまうと現在のような社会生活を維持することはできなくなるため、限りあるエネルギー資源を無駄なく効率よく使用することが重要視されています。

また、石油などの化石燃料を使用すると、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスが発生します。地球温暖化の進行を抑制するためにも、一人ひとりがエネルギーの消費量を減らしていくことが重要となりますが、日常生活を送る際の消費エネルギーを従来の住宅よりも抑えることができるのが省エネ住宅です。特に、冷暖房によるエネルギー消費が抑えられるのが特徴で、エコ住宅と呼ばれることもあります。2019年度における日本の二酸化炭素の排出量は約11億794万トンと言われており、このうち14%は一般家庭から排出されています。経済産業省の資源エネルギー庁によると、家庭内で消費されるエネルギーのうち約30%は冷暖房の消費量が占めているため、省エネを実現するためには冷暖房によるエネルギー消費量を抑えることが大切です。

冷暖房の消費量を抑えるためには、断熱・日射遮蔽・気密の3つの要素が重要となります。断熱とは、壁・床・屋根・窓などを通した熱の移動を少なくすることを意味しています。熱は高い方から低い方へと流れる性質があるため、冬場に暖房をつけると熱は室内から室外へ、夏場に冷房をつけると熱は室外から室内へと移動しますが、この熱の移動を極力減らすことで少ないエネルギーで冷暖房器具を稼働させることが可能です。日射遮蔽とは、日射しを遮ることを意味しています。夏場に室内温度が上昇する最も大きな要因は、太陽の光によって生じる日射熱です。日差しを遮ると室内温度の上昇が防げるので、冷房器具のエネルギー消費量を抑えることができます。また、住宅に隙間があるとそこから熱が移動するので、気密性を向上させることも重要です。

断熱・日射遮蔽・気密の3つの要素を重視すると、夏は外部からの熱気が室内に入りにくくなり、冬は室内の暖かい空気が室内へ逃げにくくなるので、結果として人間が暮らしやすい快適な住宅となります。なお、省エネ住宅は一般的な住宅よりも初期費用がかかるというデメリットがありますが、省エネ住宅では様々な補助金や税制優遇を受けることができます。